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2019.11.15
街を楽しくする
Rトピックス

空きビル一棟まるごと再生計画「TANNAKA68 bldg.」

竹野典子(金沢R不動産/E.N.N.)
 

金沢R不動産/E.N.N.で企画段階からお手伝いさせていただいた、RC造(鉄筋コンクリート造)の中古ビルまるまる一棟活用計画。半世紀の歴史を継ぐビルが「TANNAKA68 bldg.」として、新たなスタートを切りました。


元診療所をリノベーションした「TANNAKA68 bldg.」

以前Rコラムでもご紹介していた元診療所のビル(過去の記事はこちら)。
先頭を切って今年10月には、1Fにカフェ「MORON CAFE」さん、2Fにアパレルショップ「FILL THE BILL MERCANTILE」さんがオープンされました。


1Fのカフェ「MORON CAFE」さん

使い込まれたヴィンテージ家具が、空間にマッチしています。

2Fのアパレルショップ「FILL THE BILL MERCANTILE」さん。

長い間使われず、冷たいコンクリート空間として静まり返っていた空きビルが、リノベーションによって人の往来が戻り、息を吹き返したようなその姿には、担当として感慨に耽らずにはいられませんでした。ここで、今回の案件を少し振り返ってみたいと思います。


オープニングレセプションの様子
金沢では事例の少ない中古ビル活用

対象のビルは、元々昭和40年代に建てられ、院長さんのお名前から“たんなかさん”として長年地域の方々から親しまれてきた建物でした。
診療所としての役目を終えた後、しばらく空きビルとなっていたところ、オーナー様から金沢R不動産に“ビル一棟まるごとの活用相談”としてご連絡いただきました。


改修前の様子。

今回は「未来へとつながるようなアイデアのある使い方をしてほしい」というオーナーの想いに私たちも共感し、シェアアトリエや工房など企画段階から様々な提案。その中からも、町の条例や地域特性、収支計画を鑑み、最終的に軽飲食店・物販店・オフィスなどの複合テナントビル計画として進めることになりました。

スケルトン化で、古ビルの魅力を顕在化

金沢では中古ビルのリノベーション活用事例はまだまだ少なく、中古ビルをお預かりしたままの状態でご案内しても改修後のイメージを想像していただくのはなかなか難しいものがありました。


診療所だったため、元々はいくつもの小部屋に区切られたつくりでした。

そこで、まずすべてのフロアをスケルトン化し、「RCならではの質感」「中古ビルならではの魅力」を顕在化して打ち出すことに。

すると、「こんな無機質な空間を探していた」という多くのお客様からお問い合わせいただくこととなりました。


スケルトン化した状態のビル1F。手すりや配管など、取捨選択したディテールを残しつつ解体。

スケルトン後の2Fフロア
地域とのすり合わせ

長町はかつての加賀藩藩士の屋敷街。土塀がつづく町並みは観光エリアとしても人気が高く、宿泊業や飲食業としてのお問い合わせも多数いただきました。しかし、ここで「まちづくり協定」がひとつのネックとなってきました。

金沢では新幹線開通後、投資目的などの無理な開発を食い止めるため、町会ごとにルールを定める「まちづくり協定」が続々と制定されています。長町にも独自の協定があるため、用途や事業に多くの制限が出てきます。

ゆえに入居希望者さまのご要望と協定とのすり合わせには、なかなか苦心するところがありましたが、長らく住民に親しまれてきたビル。地域で孤立することだけはないよう、そして地域と共に歩めるビルであるよう、丁寧に協議を重ねていきました。


改修前のビルと、目の前を流れる大野庄用水。
中古ビルの今後の可能性

地価が上がり続けている金沢の中心市街地では、中古ビルは資産運用や投資を目的として売買され、壊されることも少なくありません。

しかし私たちは、中古ビル活用とは想い入れがないと完遂できない案件だと思っています。
古いビルには構造体や設備の老朽化への対処など様々な課題がつきものです。しかし、それらを差し引いてなお勝る魅力と可能性が感じられる中古ビルがたくさん残っていると考えます。

スクラップ×ビルドよりもコストパフォーマンスも高く利活用は実現できるのです。そこに、オーナーやユーザーの想いが重なれば、このTANNAKA68bldg.のように素敵に活用いただけると思います。

【関連記事】
TANNAKA68 bldg. 半世紀の歴史を紡ぐ再生計画 (E.N.N.ホームページ記事)

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