「まちなかのニュー雑居ビル」を目指し、2021年秋から動き出した「里見町アパートメント」(以前のコラムはこちら)。たくさんのお問い合わせをいただき、現在アートギャラリーや古着店、アイブロウサロンにアーティストのSOHOなど多様な方々にご入居いただいています。今回は里見町アパートメントの個性豊かな入居者さんをご紹介。まだ空いているスペースもあるので、新たな“住人”もお待ちしております!(※2023年3月新店舗追記)
illustration:Nanao Sano “見つける悦び” が散りばめられた里見町ストリート
タテマチストリートと柿木畠商店街・金沢市役所・21世紀美術館をゆるやかにつなぐ里見町の通り。ショッピングやアート鑑賞、これから一杯ひっかけに…etc.、様々な目的をもった人々が行き交います。
メインストリート・タテマチから一本入る“裏道感”が魅力で、街中でありながらとても静か。ここ数年でクラフトビアスタンドや古着屋なども続々と増加しており、新たなバックストリートとして独自のカルチャーを育みつつあります。
“ニュー雑居ビル”の多様な入居者さんをご紹介!
「ルールや決めごとは最低限に、あとはこの建物やエリアを気に入ってくれた方々にゆだねること」をモットーに、ごちゃ混ぜで多様なニュー雑居ビルを目指している里見町アパートメントですが、実際にこの物件を気に入って入居下さっている面々のその個性的なこと!ここで、とっても素敵な入居者さんをご紹介。101号室〜303号室、そしてオープンスペースまで、順におじゃまします!
【101】Alter
吉ヶ江晃基さんと、あこさん夫妻 1階サロンスペース。2階へは店舗を通って階段を上がる 2階のフリースペース。常連には美大生も多く「展示するスペースはなかなかみつらない、という話もよく聞いていたので後押しにもなれたら」と吉ヶ江さん 2023年2月に1階にオープンしたヘアサロン「Alter(オルター)」さん。オーナーは、長年竪町の美容室で腕を磨いてこられた吉ヶ江晃基さん。奥さんでスタイリストのあこさんと二人でお店を始める場として、里見町アパートメントのメゾネット型テナントを選んでくださいました。
「アートや映画・音楽など、僕はカルチャー全般が好きなんですが、自分で店をもつならそれらを取り入れた空間にしたいと考えていました。そんな中見つけたのが、1階と2階が繋がったこの物件。美容室なら1階だけで良かったけれど、展示やワークショップなどもできる自由な空間として、2階があるのも良いなと思えたんです。あと、コンクリート打ちっぱなしの空間も、イメージするインテリアに近かったというのも一つありました」
店名は吉ヶ江さんが好きな音楽ジャンル「オルタナティヴ」と、「変える」などの意味をもつ単語「alter」から。ナチュラルからモードまで、お客さんの「変わりたい」の気持ちに寄り添い、自在なスタイルを提案してもらえます。
≫店舗詳細は「Alter」インスタグラムにて
@alter.kanazawa
【102】galleria PONTE
「Ponte」とはイタリア語で「橋」という意味。 ギャラリストの本山陽子さん。 撮影時は平体文枝さんの展示「空に映る 舟と僕」会期中でした。 金沢で13年目を迎えるギャラリー「galleria PONTE(ガレリアポンテ)」さん。2022年1月に野町から里見町アパートメントに移転オープンしてくださいました。「美大を卒業した後、すぐそこのタテマチ(竪町商店街)にあったギャラリーで働いてたんです。周辺の商店の皆さんには当時もお世話になっていたので、懐かしいというか『ただいま』という感じです」と笑うのはギャラリストの本山陽子さん。
「移転前よりもさらにニュートラルになるよう意識して」つくったというギャラリー空間。「金沢では、意外とホワイトキューブのギャラリーって少ないんです。あえてそこを目指しました」。
今という時代を感じさせながらも、普遍性のある作家、作品の企画展を開催されています。気風のよい本山さんが迎えてくれるので、アート好きもそうでない方も是非お立ち寄りあれ。
≫「galleria PONTE」さんのreallocalご紹介記事はこちら
【202】somnolence
この手書きの養生テープが目印。 仲良し中村夫妻。休日は一緒に店番をするお子さん用バナナがハンギングされていたりしてほっこり。 子連れでもゆったり洋服を見れる、小上がりになった店内。 里見町アパートメントが、まだスケルトン工事すら入っていない“何も始まっていない段階”からお問い合わせいただき、入居を即決くださったのは2F「somnolence(ソムノレンス)」さん。
「メイン通りから一本入って、なおかつ2階。中は何なのかも見えない。このディープな感じが、僕のやりたかったこととマッチして」と店主の中村一平さん。古着業界一筋の中村さんですが「大量に服を入荷して、たくさんのお客さんに“とにかく捌く”といったやり方が僕は苦手で。自分が本当に好きなものを、お客さんときちんとコミュニケーションをとりながら伝えたい。ここは、そういうことができる空間だと思ったんです」。
古着の魅力はこちらが入り込んでいける“余白”があること、と古着愛を語ってくださった中村さん。「technical/classical/neutral/contemporary」といった独自の基準でセレクトされた古着から、コーディネートを楽しんでください。
≫店舗詳細は「somnolence」インスタグラムにて
@somnolence.store
【301】 Philee
どこか西海岸を思わせるようなメロウな店内 オーナーの綿矢さん。竪町の「CANVAS」、長坂「VATON」などの美容室を経営するスタイリスト ボードのパテ埋めなども空間のチャームポイントに。
海外のアパートメントの一室を思わせるような心地よい空間は、アイブロウ&アイラッシュ専門サロン「Philee(フィリー)」。「街なかでありながら、昔ながらの雰囲気や歴史が残る里見町が好きで。さらには古い家具やビンテージのインテリアとも相性の良いこの空間が気に入りました」と話してくれたのはオーナーの綿矢さん。RC造の空間特有の“ザックリ感”をうまくインテリアに昇華してくださっていています。
今や旬顔メイクの要ともいえる“眉”。パーマやワックスなどの施術を通して「自分の眉毛を生かした」スタイルの提案をしてもらえるそうです。サロンは完全予約制。「ゆっくりと、リラックスして過ごしていただけたら」。
<ご予約はアイブロウ・アイリストさんのインスタから>
@philee.haru/@philee.ayane
【303】fishmarket
蛍光色が鮮やかな3F 4Fにはキッチン付きの長いダイニングテーブルが。 アーティストのさわひらきさん。 RC造のグレーな空間に、目が覚めるような蛍光ピンクやコバルトブルー!こちらは、イギリスの建築家・AB Rogersさんとアーティスト・さわひらきさんの協働制作によるスタジオスペースです。いわゆる「アトリエ」として自身の制作場所として占有するのではなく、「金沢を訪れた、ものをつくろうとしている人たち」がサロンのように利用できる場を目指しておられます。「仕事をしながら遊んで、考えられて、美味しいものを食べに行けて、友達に会えて。そんなベースのような場になっていけたら」とさわさん。
5月中旬にお披露目会が開催されたばかりで、今後少しずつスタジオを開き、育てていかれるそう。今後はさわさんの作品の常設展示も予定されているようで、新たなアートの磁場が生まれそうです。
【OPEN SPACE 】くまのこ四輪珈琲(※活用事例)
「galleria PONTE」さんの前の軒下スペースが「オープンスペース」です。 店主・栗原伸二さん。この移動販売者はご自身でコツコツDIYして仕上げたそう。 大手外資系CD販売店でも勤めていた栗原さん。掘り出し物ザクザクです。 1日単位での出店が可能なオープンスペース。「くまのこ四輪珈琲」さんは定期的にこちらで出店いただいているお一人です。店主の栗原さんはサラリーマン時代の転勤で金沢を訪れ、その魅力にすっかり取りつかれ金沢移住し早5年。「人と話すのが好きで」と、本業のホテル勤務の傍らご自身の休日にコーヒーの移動販売を始められたそう。
コーヒーはもちろん、マニアックなCDの“ガレージセール”も掘り出し物がザクザクで人気です。おしゃべりがてら、ゆったり一服していってくださいね。
≫出店情報は「くまのこ四輪珈琲」インスタグラムにて
@kumanoco_coffee
現在募集中のスペースはこちら
※赤色表示が現在募集中のスペース 【401号室/402号室】(OFFICE等)
事務所やサロン等としての活用を想定している4階の2室のご紹介となります。一室、約8坪の広さ。数人規模簿のシェアオフィスや、サロンなどにも良さそうです。2区画の間の壁を取り払ってSOHOにしたいなど、ニコイチでの活用も相談OKです。
401:27.05㎡/賃料53,900円/共益費3,000円
402:29.11㎡/賃料45,100円/共益費3,000円
≫物件詳細はこちら
401号室 401号室のバルコニーからの眺め 402号室 401と402はこのような並びです 【OPEN SPACE】
こちらはキッチンカーなどの移動販売車など、出店希望者を随時募集中です。
出店料:1,200円/1回
(※2022年11月までのお試し価格。以後改定の可能性あり)
自由度の高い雑居ビルとして、里見町に新たな人の流れやコミュニティの形成を目指す里見町アパートメント。こうして素敵な入居者さん達に入っていただき、さらに街ゆく人とも交流できるオープンスペースができて我々としても嬉しい限り。こんなアパートメントにビビビと来た方、ぜひ下記よりお問い合わせください。
周辺のイメージ図。本物件によって里見町の賑わいが広がることを妄想中。実際にいくつかの物件、動いてます。 里見町APARTMENT
住所:石川県金沢市里見町42-8
【里見町アパートメントへのお問い合わせ】
有限会社E.N.N./金沢R不動産 : 076-263-1363