2010.10.12 |
茨木町アパートリノベーション 茨木町アパートリノベーション、進行中! その1 出会い編小津誠一(金沢R不動産+studio KOZ./E.N.N.) 金沢R不動産では、個性的な物件の賃貸・売買仲介や紹介をさせて頂いています。嬉しいことにお客様からリフォームやインテリアなどの相談を受けることもよくあり、特に多いのは店舗の内装や住宅のインテリアのお手伝い。最近では物件オーナーの方から、本格的リノベーションの依頼をいただくことも多くなってきました。時代の要請もあり、建物を改修しながら長く使っていくという新たな選択肢も浸透してきたようです。そんな中、静かに佇んできた名も無き建物の相談が増えつつあります。町家再生や伝統的建築の保存が盛んな折、金沢という街並みを圧倒的な数で支えるフツーの古い建物たち。そんな愛すべき建物にも光を当てていくことになればと思い、僕たちができることを持って、より積極的に関わっていきたいと考えています。 昭和40年代築の木造アパート まずは、物語の舞台であるこの建物の現状を。 1階には、料理屋、美容室などのテナントが入居していたようだ。2階は中廊下式のアパートで、共同シャワー、共同トイレという古い下宿の様なつくりになっている。しかし、このすっかり古くなってしまった建物には、住人も商店主もいなくなっていた。 中へ入ると、使われていない建物特有の古い空気が漂っていた。ある部屋は蔦に侵食されていたり、雨漏りで土壁が崩れかけていたり。 再生の相談 はじまりは、一年ほど前の一本の電話だった。電話の主は、金沢出身の横浜在住の女性。常識破りの格安下宿、あるいは建て替えるしかないような木造アパート。それを再生してほしいという相談だった。 昨年、相続を受けてこのアパートのオーナーになられたらしい。ところが、そのオーナー自身がこのアパートで育ったこともあり、ひときわ強い想いが伝わってくる。だからこそ、最新仕様のマンションへの建て替え提案などには目もくれない。この建物をリノベーションしてくれるパートナーを探しているという。まさに金沢R不動産が切望したクライアント像。 僕たちにとってもこの相談には大切な意味があるように思える。どこにでもありそうな古い物件、物語を育みながら生き残ってきた建物、工夫すればまだ使えるかも知れない。いや、人間で言えば40代の働き盛り。まだまだ現役で頑張ってもらいたい。不動産的価値が無くなった建物(※注)でも、新たな価値を発見、創造できるかも知れない。思わず、「是非、物件を拝見させてください!」と応えて受話器を置いたのだった。 |
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